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simbelmynë :: diary

小児科医療 & 趣味はコンピュータいじりです

クローズド・クエスチョンの方向性

医師は診察において、多くの場合、問診によって、ある程度の「アタリ」をつけて、そこを重点的に確認していく。あるいは、問診だけで判断できない重要な分岐点を、頭のなかでチェックリストにしておく。

 

だから、診察は「アタリ」を確かめる行為となることが多い(と限定していると足元を掬われるので、全身くまなくチェックすることが大切なのであるが)。

 

親御さんにも色々なタイプがいらっしゃって、「何月何日何時に〇〇度、何時に✕✕度」と、体温の経過だけを話されたり、あるいは、問診する前にいきなり子供のお腹をペロンとだして「さあみて下さい」とされたり、、、落ち着いて経過を聞き取ったり、子供の症状や表情や態度を観察するタイミングは難しい。

 

 

子供の問診には注意が必要だ。とくに、話せるようになった2歳くらいから、小学校にあがるくらいまでの年齢。

 

笑顔を絶やさず、目を見てトークを絶やさず、できたことを褒めてあげる、というのは基本として、子供がほんとうに何を苦痛に感じているのか、問診から情報を得るのはひどく難しい。

 

「頭が痛いの?」と聞くと、「痛くない」という。

母親が、「え、さっき痛いって言ってたじゃない」と聞くと、

「さっきは痛かった」と。文脈にそった答えができない。

 

ゆっくりと話し、ときには何度も同じ質問をしてあげる(すると毎回答えが異なったりするのだが)。

 

 

 

個人的に注意しているのが、クローズド・クエスチョンの方向性について。

 

どうも子供というのは、質問に対して「うん」と答えやすい。

そのほうが、「いいえ」と答えるよりも簡単だからだろうか?

 

なので、答えの「感度」を上げるためには、コチラ側が「そうなのではないか」と疑っていることについて肯定的な聞き方をする。

 

「いま、お腹がいたいですか?」「頭が痛いですか?」

 

ただし、こういう聞き方をして「うん」と答えられても、それを鵜呑みにしてはいけない。

 

次に、「じゃあ、どのへんが痛いか、言える?指でさせる?」と聞いて、答えられたら、ほんとうにある症状と考える。

答えられなくても、それはよくあることなので、症状の否定はしない。ただし、根拠としては1ランク下げる。

 

 

逆に、答えの「特異度」を上げたいときには、「そうだろうなあ、ありそうだな」と思っても、敢えて、否定的な聞き方をする。

 

「のどは、痛くない?」「いま、げーげーは、でなさそう?」

 

と聞いて、「痛い」「でそう」と答えられたら、その答えの信頼性ランクは高い。

 

 

こういう子供との会話の仕方、というか、クセのようなものだけれど、奥さんに聞いたら全然理解してくれなかった(そんな細かいこと考えて会話してんの?アホちゃう?と言われた)のだけれど、仕事で子供に携わる人間に特有のものなんだろうかと思った。

 

親御さんと和やかに話しながらも、頭のなかでは診断機械が動いていたりする。結構腹黒いのかもしれない。