simbelmynë :: diary

小児科医療 & 趣味はコンピュータいじりです

院内で使われる抗菌薬と患者さんの状態を全部把握するようにしてみた。

最近、院内で使用されている抗菌薬を、患者さんの状態とともに、毎日一覧表にすることにしている。

200床に満たない小病院だから、一人でもなんとか把握できる分量である。 

 

電カルPCにゴニョゴニョ

電カルの方に、SQLでデータをSELECTできる手段が用意されている。で、SQLで手動抽出した生データを、EXCELで病棟ごとの一覧表にするVBAを作成した。

電カルのPCで自作プログラム動かすなんて御法度だけど、EXCELは入ってるから、VBAなら動かせるんだよね。そういう理由がなけりゃ、VBAとかいうウンコの化石は触りたくもないんだが、仕方がない。

半自動であるが、今のところ便利に使えている。

個人情報には超注意はらってます。

 

 閑話休題。

そうして眺めていると、抗菌薬がけっこう無駄に使われている。

もう必要以上に長く使われていることが本当に多い。

 

パターン1 熱が出る。培養取らずに始める。熱下がらない。抗菌薬続ける。熱下がらない。そのままずっと治療。

パターン2 熱はない。CRP高い。培養取らずに始める。CRP下がらない。抗菌薬続ける。CRP下がらない。熱はない。そのままずっと治療。

 

・・・むが~!!

 

無駄が多い。多すぎる。フォーカスを考えて、起炎菌を考えて、治療を絞れ。効かなけりゃ何故効かないか考えろ。テキトーに上から順番に薬を選択するな。あの、せめて、せめて、細菌培養検査お願いします。

 

・・・思うに、自分の専門でない分野を無理やりやらされている医師は、たいがい無駄なことをしており、 たまたま自分に抗菌薬がクローズアップされて映るが、医療なんて無駄だらけなんじゃないか。

こういうのを無くしたら、医療の質は随分上がる。

ので、適切な治療をして頂けるよう、介入してゆきたい。

 

 

小児科医からみた、 高齢者の感染症

にしても、高齢者の感染症をみてると、ほんとCRPって当てにならんね。

僕は小児科医だから、炎症は治癒するのが当たり前だったけど、

高齢者って、結構強い炎症を体の何処かに常に抱えながら生きていて、

CRPを指標に急性感染を診断したり、改善を判断したりすることは不可能だな。

それが不可能だと知らないから、不可能をやろうとして、不適切な治療がまかり通ってしまうんだ。